2014年7月22日火曜日

「嘘をつくと地獄に落ちますよ!」について

「嘘をつくと地獄に落ちますよ!」といわれて育つのが、私たち日本人です。それがいつしか、大人だって多少の嘘はついているんだとわかってきて、いろんな嘘をつくようになってしまうということがあります。

みんなが嘘をつくということになると、みんなが地獄に落ちるということになるんでしょうか? それとも、嘘はついても良いのでしょうか?

そんな疑問を解決するために、こんな解答がよく聞かれます。

「相手のためにつく嘘は許されるけど、自分が得するためにつくのはダメ!」

なんだか、小中学校の道徳の時間みたいですが、そんな解答もまあ、ありかもしれません。ただ問題になりそうなのは、「相手のため」というのを “拡大解釈” してしまうケースです。

例えば、夫が浮気をしました。彼は奥さんのことも愛しているから奥さんを傷つけたくない。だから奥さんに嘘をついて、浮気で出かけて行くたびに、会社の付き合いだとかなんだとか、嘘をつきます。この嘘は、「奥さんのため」なんでしょうか?

そもそも浮気は、ダメな行為で論外です。ダメでも浮気をしたいというのは、浮気する人の欲望であって、どこまで行っても自分のためです。それは浮気の相手に対して少しも良いことにはならないどころか、もし相手が不倫願望のよその奥さんだったり、いつかは自分と結婚してくれるはずと信じる独身女性だったりすれば、相手の家庭や人生をめちゃめちゃにすることになります。そんな浮気をいったん始めてしまえば、もうそんな最悪の方向にまっしぐらに突き進んでいることになるでしょう。

浮気や不倫を頭ごなしに「ダメ!」というと、きっとあちこちから反論やら不平やら出てくるのかもしれませんが、浮気や不倫を肯定したい人の気持ちもわかります。でもその気持ちというのは、やはり「自分のため」なんですね。どこまでも自分が可愛くて、自分の欲求や欲望を大いに肯定したいという気持ちです。そして、そんなふうに自分のためだけに異性と付き合いたいという欲求や欲望は、誰にでもあることです。それは動物としての本能だからです。

私たちも動物には違いありませんが、同時に人間でもあります。人間というのは、とても社会的な生き物で、社会がないと生きられないようになっています。社会なんて離れて山奥とか無人島とかで自給自足で暮らせるさ、という考えもあるかもしれませんが、そんな素晴らしい行為を実現させることができるのだとしたら、その時点でその人は「人間」ではなくなって本当に単なる動物になってしまいますから、人間である以上は社会にいて、人との関わりの中で生きるということです。

社会的な人間であるということは、親子、兄弟などの家族をはじめとして、様々な人間関係の中で暮らさなければなりませんから、「自分だけのために」とか、「自分だけ得するように」といった発想や、その発想にはじまる言動をとれば、必ず嫌われ者になってしまいます。嫌われ者になるというのは、社会の中で互いに共鳴する生き方ができなくなるということです。(「共鳴」については書籍『パーミストリー』の中でも述べています)

共鳴しないとなると、生きていく上で、様々な厳しい障害がこれでもかと行く手を阻んできます。共鳴した生き方をしている人たちが、毎日を楽しく、スイスイと順調に歩を進めて行くのに対して、共鳴しない人は常にトラブルに見舞われるということです。そこでまた、トラブルを人のせいにしたり、人を憎んだりするようなことになると、B思考はどんどん深みにはまって行きます。共鳴している人たちが容易にA思考ができるのに対して、共鳴しない人はいつまでもどこまでもB思考ですから、人生は苦しみばっかりで、心も体も疲弊しきってきます。事故にあったり、病気になったり、犯罪に巻き込まれたり、自分で犯罪をおかしてしまったりすることになるのも、そういったことが原因です。

浮気や不倫は、いくらそれを美化して考えようとしても、やはり共鳴しない生き方であることに変わりはありません。また、浮気や不倫に限らず、共鳴しない言動をとって生きていると、いろんなところでB思考からくる自己弁護の嘘をつくことになります。B思考がさらにB思考を呼び、A思考のきれいな世界にまた戻ってくることが、どんどん困難になって行くんです。

本当に相手のためになるA思考によるものだと言い切れるのであれば、嘘をつくということもやむを得ないことだと言えるんでしょうけれども、実は自分可愛さのためのB思考に支配されているのだとすれば、それはついてはいけない嘘だということが言えると思います。

B思考にもとづく嘘をついていると、必ず不協和音に包まれて、災いに襲われます。一生懸命それを「正当化」しようと思考はグルグル回転しますが、不協和音の中ではいくら考えても明るい出口にはたどり着けません。ずっと地獄の人生を送らなければならないというわけです。

「嘘をつくと地獄に落ちますよ!」というのは、本当だったんです。